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児玉語録

児玉語録8月号『スーパープレーは集中力の成せるワザ』を掲載

2013/08/03

『スーパープレーは集中力の成せるワザ』                                                            (顕在意識・潜在意識について理解しよう)                                                                                    「ゾーンに入る」という表現があります。
卓球ばかりでなく、野球でも、ゴルフでも、
メディアでよく取上げられる言葉ですが、これは一種の神がかり的な状態で、
ラケットを振りさえすれば、いいコースへすばらしい強打が入ってしまうという、
観る人達の想像を超えた快挙が、現実のものとなる状態のことです。
 
このようなスーパープレーを導き出すのは、
プレーヤーの極限まで高められた集中力の成せるワザです。
 
では、そうした状態まで集中力を高めるには、一体どうしたらいいのか。
パフォーマンスを意図した体の動きと、そのプレーヤーのイメージが、
ピッタリとあったときに、観る人の想像を超えたワザが、
現実のものとなるのだろうと思います。
そう考えると、練習量の少ない人が、
大事な試合でスーパープレーを実現させるということは、
不可能だということが理解できます。
 
集中力を高める方法は、集中した訓練の質と量に比例するということです。
この集中した訓練の質と量が、最も重要である以上、
練習好きかどうかが将来を大きく左右することになるのです。
 
だから、普段の練習でも集中して、
一球一球ボールに立ち向かっていくことが大事です。
こうした心構えで練習している選手は、課題も見つかり、
それをクリアする目標も生まれるため、集中して練習ができるようになり、
そういう練習を積み重ねることにより、精神面でも、技術面でも、
自信と余裕が生まれてくるのです。
 
集中している状態というのは、雑念がない精神状態です。
しかし、その前に平常心(物事に動じない心)が土台として必要です。
感情が平静でなければ、集中もまた難しくなります。
 
とはいうものの、これは非常に難しいテーマです。
オリンピックや世界で活躍し、成功している選手の多くは、
寺院で修行したり、座禅を組んだりしています。
 
その他一般的にも、
雑念を払うのに有効とされているのが、呼吸法です。
不規則な息づかいは、
集中できないことの証明であるという研究結果もあります。
長く息を止められることは意識が安定し、
感情も落ち着いていることを証明しているそうです。
すなわち、平常心を保つには、呼吸を落ち着かせればいいわけで、
緊張したら深呼吸しろ━というのも一般的には当たり前に言われています。
 
瞑想してイメージし、精神状態をリセットし、しっかり目標を決めて、
それに向かって自分のやるべきことのみに意識を絞り込む。
そうした作業が進むにつれ、集中力も自然に高まっていきます。
 
私達には、顕在意識と潜在意識があります。
今こうしている瞬間も自分自身をコントロールしている、
顕在意識(表層意識)「理性的なもの」と、
表に表れない部分として働く、潜在意識(無意識)「本能的なもの」によって、
コントロールされて生きています。
 
そして、その割合は大体1:9といわれています。
つまり、日常、顕在意識が思考や行動に与える影響は、
たった1割程度だということです。
 
だから、思考や行動を変えるためには、
残り9割の潜在意識へアプローチしなければならないのです。
 
顕在意識とは、決意したり、判断したり、選択する心の領域であり、
望ましいこと、望ましくないことを識別する能力を持っています。
また、悩んだり、不安になったり、願望を持ったりします。
 
潜在意識とは、過去における考えや、心構えや、欲望の大きな貯蔵庫で、
その数百万にのぼる整理棚には毎日の生活の中で、読んだこと、聴いたこと、
観察したこと、受けた印象、考えたことが貯蔵されています。
潜在意識は創造的な洞察力や、直感力の無限な宝庫です。
 
潜在意識は目が覚めているときでも、
眠っているときでも24時間休まず活動しています。
例えば、われわれが眠っている間にも、
心臓の鼓動、呼吸、食物の消化、新陳代謝、
ホルモンの分泌など、体の機能を絶え間なく動かし続けてくれるのも
潜在意識の働きによるものです。
 
ただし、潜在意識は判断の機能を持たないので、
良い情報も、悪い情報も判断できずに、そのまま受け入れてしまいます。
現実か想像かの判断もできないそうです。
 
「強く思えば叶う」「思考は現実化する」と、
私は耳にタコができる位言っていますが、これは正しいのです。
 
なぜなら、これこそが日々行っている、
潜在意識へのアプローチだからです。
 
常に良いイメージを持ち、悪いイメージを持たないように、
徹底的に気をつけることです。
それが成功するためには、最も重要なことなのです。
 
そして、平常心を土台として、集中力を養う努力をしていきましょう。



児玉圭司名誉総監督

昭和35年~45年
明治大学体育会卓球部監督
昭和45年~令和2年
明治大学体育会卓球部総監督
令和3年~現在
明治大学体育会卓球部名誉総監督

(株)スヴェンソン 代表取締役会長

日本学生卓球連盟 名誉会長

明治大学駿台体育会 名誉会長

昭和31年
世界選手権シングルスベスト16
昭和40年
第28回世界卓球選手権 日本代表監督
昭和48年
第32回世界卓球選手権 日本代表監督
昭和50年
第33回世界卓球選手権 日本代表総監督兼監督