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児玉語録9月号『戦略・戦術・技術を理解し自分の人生に活かそう』を掲載

2013/09/07

『戦略・戦術・技術を理解し自分の人生に活かそう』  

卓球には、「必勝と不敗」のバランスを考える、
或いは「先の先」「後の先」「集中とリラクゼーション」「間」の取り方など、
一般人の生活や仕事の上でも役に立つ言葉がたくさんある。
                              
卓球と剣道は相手との距離も近く、
瞬発力や反射神経が極度に要求される競技なので、
脳の前頭葉が発達し、頭が良くなるスポーツだと言われている。
 
その剣道に「気剣体一致」という言葉がある。
「充実した気力」と「磨いた剣」と「鍛錬した体」とを三位一体にして戦うという
心構えのことをいうのだそうだ。
                                 
良いプレーヤーは、自分の強みを自ら見出して、
それを毎日磨いていく習慣を大切にしている。
 
卓球に限らずスポーツの世界、或いはビジネスの世界でも、
戦略・戦術・技術という言葉がよく使われる。
 
戦略とは、目的を達成するため長期的に考えて、
総合的に準備し大局的に判断すること。
卓球選手として大成するための戦略としては、
ドライブ主戦の攻撃型選手になるか、
或いはカット主戦のオールラウンド型選手になることを選ぶか、など
どういうスタイルを選んで世界の一流選手を目指すか・・・
であると私は思っている。
 
戦術とは、その自分の選んだスタイルの中で
実戦に勝利していくための戦い方である。
読んで字の如く、戦(いくさ)の術である。
相手との試合をどのように戦って、勝利に結びつけるかということである。
 
相手に対して、どういうサービスを使って、3球目をどう攻めて、
どのように得点しようか・・・と
考えて試合を進めていくのが戦術である。
一つひとつのサービスや、3球目の強打や、
スマッシュやドライブなどは技術である。
 
前陣速攻の戦術をとるのなら、台の近くでのフットワークとか
小さなフォームでのスマッシュ、チキータやフリックなど、
それぞれに必要な技術を持っていなければならない。
 
 
一つひとつの試合は、決まった相手と戦う。
だから、その試合の戦術は、その相手を前にしてから練っても遅くはない。
 
だけど卓球の競技生活としては、
不特定多数の選手を相手にしなければならないので、
主として用いる戦術は、長い年月にわたっても通用するものでなければならない。
 
試合で当たった相手には、
その選手について知っていること(情報)を整理して分析し、
試合を進めていこうと考える。
全く知らない選手でも、練習中や試合中にいろいろな情報を得て、
戦術を立てたり変えたりしていくのである。
 
「作戦なんか考えない、当たって砕けろだ」という場合もあるかも知れないが、
これも、「玉砕戦術」であって、
自分の最も得意とする戦術を相手に正面からぶつけていくやり方で、
「誰に対しても変わらずに通用する基本的な戦術の型を、
相手が変わっても変えることなく
実行している」ということである。
 
相手によって変えようと変えまいと、
戦術があり、その戦術を実現するために技術がある。
だから試合に勝っていくためには、それにふさわしい技術が必要なのである。
 
戦術は、短時間のうちに判断し、決断したり変えたりするが、
技術は、短時間で習得することはできない。
私達が卓球を始めたとき、まず技術を習得することに、
大部分の時間を使って一生懸命努力してきたのは、そのためだ。
 
それは、戦術と技術の本質的な関係が技術優先だからではない。
いろいろな技術を習得しなければ、戦術や戦法が組み立てられないからである。
だから、試合に際しては、戦術が優先するが、
訓練の段階では、技術の習得により多くの時間を掛けなければならないのである。
 
実力の差は努力の差、実績の差は責任感の差、判断力の差は情報の差、
真剣だと知恵が出る。中途半端だと愚痴が出る。
いい加減だと言い訳ばかり、本気でやるから大抵のことは出来る。
本気でやるから何でも面白い、
本気でやっているから誰かが助けてくれる。
 
という名言がある。
 
これからの人生に役立て、自分を信じ、集中した訓練を習慣化しよう。

児玉圭司名誉総監督

昭和35年~45年
明治大学体育会卓球部監督
昭和45年~令和2年
明治大学体育会卓球部総監督
令和3年~現在
明治大学体育会卓球部名誉総監督

(株)スヴェンソン 代表取締役会長

日本学生卓球連盟 名誉会長

明治大学駿台体育会 名誉会長

昭和31年
世界選手権シングルスベスト16
昭和40年
第28回世界卓球選手権 日本代表監督
昭和48年
第32回世界卓球選手権 日本代表監督
昭和50年
第33回世界卓球選手権 日本代表総監督兼監督