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児玉語録

児玉語録7月号『「個」を磨くために、大切なこと』を掲載

2013/07/02

『「個」を磨くために、大切なこと』
(元横綱 大鵬に学ぶ)


インカレは3連覇を達成することが出来ず、残念な結果に終った。
愛工大の思い切ったプレイを最後まで貫いた戦い方に賞賛を送りたい。
世界選手権、中国オープン、ジャパンオープンと続き、
選手間や、指導者と選手との間の意識など、
チームワークの形成に難があったことは否めなかった。
 
丹羽は将来、名実共に日本のエースとして活躍するには、
体力と精神力の強化が大命題である。
チーム全員が、この口惜しさを踏み台にして、
心機一転懸命な努力を期待したい。
 
アヒルの水かき」とはすばらしく上手なたとえだと思っています。
アヒルは水面に浮いて、涼しげな顔で前に進んでいるけど、
その水面下では忙しく足を動かしている・・・ということで、
表面は何気なくやっているように見えるが、
その陰では人知れず物凄い努力をしている・・・
という意味にも通じます。
 
巨人大鵬卵焼き・・・とまで言われて、
一世を風靡し32回の最多優勝記録を持ち、
相撲の黄金期を築き上げた、
元横綱の大鵬さんが72才で今年の1月に亡くなられました。
 
「どうしてそんなに強かったんですか」、
「天才ですね」と言われ、持ち上げられるたびに、
「とんでもない」と思ったそうです。 
自分は天才ではなく努力の人間だと語っています。
 
樺太(現サハリン)で生まれた直後は体の弱い子供だった。
あまりの貧しさの中、小、中学生の頃から、
家計を助けるため、納豆を売り歩いたり、
水汲み、まき割り、もっこ担ぎ、道路工事、さらには山中での雑草刈りと、
生活のために働く中で体がだんだん鍛えられていった。
16才で角界に入った頃は、
183センチ、70キロ弱の体で電信柱と呼ばれたが、
他の力士に負けたくない一心で稽古に打ち込んだ
 
出稽古で初めて柏戸と戦ったら全く歯が立たず、
それ以降、柏戸に勝つことを目標にした。
その二人が切磋琢磨して「柏鵬時代」と呼ばれ黄金期を築いた。
 
横綱になってからもケガや病気に悩まされ、再起不能と言われながらも、
その苦境を何度も跳ね返し、入院中も病室を抜け出し、
夜の公園を走ったりした。
むしろ大怪我の後、以前より「淡々とした相撲」を取るようになったと喜んで、
目の前に現れる困難や壁を常に自分の力に変えてきた
 
勝つために稽古し、努力の過程で精神面も鍛えられる
最初から精神が強かったわけではない
なにくそっという根性が大切だよと
 
」を磨いていくということについては、
あらゆる角度から、事ある毎に話をしています。
 
何と言っても、個人として大切なことは
○ 夢を抱いて、大きな目標を持つ
○ やるべきことを、強く意識する
○ 徹底的に考える。 
ということです。

例えば、訓練を始めるとき、
考えるか
考えないか
非常に大事です。
いつもと同じように何となく惰性でやってないか?
 
しっかりした目標と計画を考え、
今日はこういうことを留意して強い思いで取組もう、
と考えることによって、その成果は格段に変わってきます
 
練習が始まる前に、
                  この訓練はどうすれば最善の方法でできるか
                   もっと何か他の方法でやったら効果的ではないか
考えてみるイメージしてみる
 
君達はみんなすばらしい才能の持ち主です。
多くの人の中から選ばれた存在です
 
一人一人のレベルが上ると日常の訓練内容のレベルが上ります
そうすると楽しくなるから、練習の量も増える
そして、量が質に転換してますます個々のレベルが上ります
 
この好循環を築き上げるために練習の前に考えることを
今までより、もう一歩深く掘り下げてやっていこう
 
体力やテクニックの成長には時間が掛かるが
思考はいつでも変えられるしどんどん成長していきます
 
一生懸命願晴ることは、何かを成し遂げるためのものではあるが、
それ自体が、人生を生きる目的なのではないか・・・と私は信じている。
 
与えられた時間を、現状に満足せず、「もっと自分を高めたい」という
心持ちで過ごしているかどうかが、人生の充実度につながるからだと思う。

児玉圭司名誉総監督

昭和35年~45年
明治大学体育会卓球部監督
昭和45年~令和2年
明治大学体育会卓球部総監督
令和3年~現在
明治大学体育会卓球部名誉総監督

(株)スヴェンソン 代表取締役会長

日本学生卓球連盟 名誉会長

明治大学駿台体育会 名誉会長

昭和31年
世界選手権シングルスベスト16
昭和40年
第28回世界卓球選手権 日本代表監督
昭和48年
第32回世界卓球選手権 日本代表監督
昭和50年
第33回世界卓球選手権 日本代表総監督兼監督