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写真提供:明大スポーツ新聞部

『できる理由を探す』

2020/06/01

 

『 できる理由を探す 』

 

世界で初めて 小惑星のサンプルリターン達成の探査機 『はやぶさ』 のプロジェクト  マネージャーを務められた川口純一郎氏は、

 

宇宙研のメンバーは誰もが無謀とも言える挑戦に100%可能だと思っている。

楽観的と言えばあまりにも楽観的だが、その成功を疑いもなしに信じている。

どんなに不可能に思えても絶対に「できない」とは口にしない。

「時間的に無理だ」 「予算が足りない」 といった愚痴や不満も言わない。

そして自分たちのやる事は世の中も認めてくれないわけがないと思い込んでいる。

その現場では、「こういう素材を使えばどうだろう」 「予算を2倍にしよう」

「そうだ!スケジュールの事は忘れてしまおう」 などといった破天荒なアイデアが

次々繰り返されていました。

 

日本人の多くは完璧主義で、未知のことを敬遠したり、不完全なことを嫌う傾向がある。

電車の正確なダイヤや、精巧なもの作りなどには、良い方向に出ることも多いですが、

何か新しいことを始めたりするときはこれが悪い方向に出ることが多いです。

「不安があるから手を出さない」と、リスクのあるものには手を出そうとしたがらない。

そして 「解決する方法」 よりも 「できない理由」 を考えることに力を注ぎ、

それを見つけて安心してしまっているというケースが少なくありません。

 

よく “機が熟す” と言いますが、“機は熟すものではない” というのが私の持論です。

“機”が来るか来ないかは、その人の能力を示すバロメーターと言えるかもしれません。

運不運ということも確かにあるかも知れませんが、いつまで経ってもその運が回って   来ないようであれば、自分自身にも問題があると考えるべきではないでしょうか。

だからこそ、雑事と思える仕事を任されたり、小さなプロジェクトにしか参加させて     もらえなくても、それが現在の自分に対する評価だと受け止めて、

小さなチャンスでも着実にものにしていくことが大切だと思います。

 

 

私は1972年、第一回アジア卓球選手権大会(北京)、

日本代表選手団の総監督 兼男子監督として参加した。

中国はその前の年、1971年に国際連合に復帰し、その記念大会として第一回の    アジア大会を北京に招致したのである。 それ故、中国としてはこの大会を重要視して

日本との決戦には周恩来総理を始め、10数名の中国の要人が観戦された。

アジア諸国からは31カ国が集まり、素晴らしい大会となった。

 

参加した各国の人々が日本と中国の選手に対して尊敬の念を抱いて接してくれる場面が多くあり、スポーツばかりでなくあらゆる分野で、我々は真の友好促進のため、

リーダーシップを取らなければならないな…と、改めて身の引き締まる思いを感じた。

 

我々は、日本代表選手団(男子:長谷川、河野、田阪、古川、井上(哲))が決まってから 短い期間ではあったが、とにかく中国に勝つためにやれる事はやり尽くそう…と、

“打倒中国”に燃えて準備をした。

「自分が日本を勝たせてやる」・・・と言える選手になって欲しい。と、私は選手に伝え続けた。

 

1回目の合宿から、真夏の冷房もない体育館で、徹底的に基本課題から厳しい訓練に  入った。そして夜のミーティングでは選手全員とディスカッションをして、

中国選手の分析を行い、さらに誰と誰が当たった場合にはこういう戦い方をする…

サーブ+3球目、4球目、5球目、レシーブ+4球目、5球目、6球目という

システムパターンを作り、その課題をやり通した。

結果選手全員の努力とチーム全体の強い思いが一体化し、運を引き寄せることができ、日本男子は長谷川、河野、田阪の布陣で大激戦の末、10数年ぶりに

団体戦で中国を倒すことができた。

選手全員が、「勝負どころで自分が決める」、「自分が日本を勝たせるんだ」と思える   チームとなり、日を追うごとに一体感が増していった結果であると思う。

 

そしてこの大会、後半の個人戦では勢いに乗り、男子シングルスで長谷川、

男子ダブルスで河野・井上組、混合ダブルスで長谷川・今野組が優勝、

7種目中4種目に優勝という快挙を成し遂げた。

 

目標を一点に絞り、“できる理由を追求” して、それに向かって 強い思いで努力 し、

本番では 楽観的 に、プラス発想 で挑めば、運は引き寄せることができる …

ということを学ばせていただいた、私にとって貴重な体験となった。

 

部員・スタッフ

對馬 悠

名前 : 對馬 悠
学年 : 2年
学部 : 文学部
出身校 : 大阪桐蔭高

児玉語録

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