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児玉語録

児玉語録6月号 『自分の未来は自分が決める「強い意志」には柔らかさが重要』 を掲載

2012/06/12

 『自分の未来は自分が決める
「強い意志」には柔らかさが重要』


春季リーグ戦、優勝おめでとう。
今年は戦力が充実していて有力な優勝候補に挙げられていたが
勝負の世界は何が起こるか解らない。そういう中で、全勝優勝を
果たすことができたのは出場した選手と控えの選手、そして
指導陣がそれぞれの役割を果たし、一体感を持って戦った成果である。
思い切ったプレーが出来た選手がいれば、悔しい思いをした選手もいた。
中でも試合に出て活躍したいと願って努力してきたのに、
そのチャンスがなかった選手にとっては、
その悔しさはひとしおであったと思う。

「勝って兜の緒を締めよ」という諺がある。
「戦いに勝って油断し、兜を脱いだときに不意に敵が来襲して
来ないとも限らないので、勝っても兜の緒を締めなおせ」・・・
ということ、要するに、
「たとえ成功しても、気を許してはいけないという戒め。」

「誇りと自信を持つことは大事なことだ、
しかし決して驕ってはならない」
このことを肝に命じて、今後の関東学生やインカレに備えて貰いたい。

5~6年前に「再チャレンジ」という言葉が盛んに流行した。
「いざ」というときのために日頃から準備を重ねておこう
という気持ち。目の前のことに、常に全力で取り組む。
それがチャンスを自分のものにしていくために、大事なことである。

「自分の未来は自分が決める」という「強い意志」を持ち
しっかりした計画を立て、それを実行に移す心構えが重要であることは
言うまでもないこと。

「未来」は一つ一つの小さな計画を実現させ、積み重ねた結果で、
自分で立てた計画を達成してこそ未来があるのだ。
「何が何でもやり遂げるんだ」と、「強い意志」で計画を成功させよう
という気持ちがあれば、何度失敗しても、必ず、再チャレンジ精神は
生き続け、実行力がつき、自分の納得した未来を築き上げることができる。

ただしこの「強い意志」を誤解してはならない。
意志が固いためにたった一つの自分の弱点を突かれただけで倒れたり、
自分のプライドを傷つけられたような気になったりする。

「柔よく剛を制す」という言葉があるが、人は心身ともに柔らかく
あるべきである。体や心を強固にして力ずくで相手に向かっていくと、
反射神経が鈍り、柔軟な対応ができない。
特に心の柔らかさは大事だ、一つのことに囚われると、その考えに
固執してしまう。そうすると他の考えをすべて否定してしまうような
ことになり、自分のためになる、どんなにいい教えも、アドバイスも
入らなくなってしまう。まずは心を開き、精神を柔らかくしなければ
ならないことを忘れてはならない。

人は子供の頃、誰でも目の前のことをやってみたいから自発的に楽しむ。
そして次のときには、前回よりも、もっとうまくやろうと自分で
ハードルを上げて、高く設定した壁を登ろうとする。
誰かに言われなくても、自分からそういう気持ちになる。
こういう前向きな心構えが大人になるとだんだん薄れていく。

「なぜ」「どうして」という質問は好奇心の塊。
それがなくなるのは、成長が止まった証拠である。
チャレンジすること、何かのチャンスやきっかけを自分で見つけて、
創意工夫し向上心を持って、チームワーク、思いやりなど人間の
元になる行動やマインドを思い起こし、自分で考えて自分で行動する。
それが原点。
自分が志した道を迷わずに突き進もう。

誰の人生でも失敗の繰り返しのなかに、数少ない成功があるもの。
どんな成功者でも、人は必ず壁にぶつかったり、ミスをしたりする
生き物なのだから、失敗しても前向きに受け止めること。
そのミスを単なるミスにせず、生き生きとしたミスにするよう、
気持ちを入れ替えることが大事だ。

そういうときこそ「考えて考えて考え抜く」。
そうすれば必ず「ひらめき」が出てくるもの。ただし、そのポイントは
ポジティブに考えること。ネガティブに考えるのは悩んでいることで、
「もうダメかな」ではなく、
「どうしたらできるのか」を考えることである。

難しく考える必要はない。
想像力を発揮して、とんでもない発想をいくつもしてみることで、
楽しくもなり、思いがけない解決策が見つかるものだ。
明るく前向きに努力しよう。

 

児玉圭司名誉総監督

昭和35年~45年
明治大学体育会卓球部監督
昭和45年~令和2年
明治大学体育会卓球部総監督
令和3年~現在
明治大学体育会卓球部名誉総監督

(株)スヴェンソン 代表取締役会長

日本学生卓球連盟 名誉会長

明治大学駿台体育会 名誉会長

昭和31年
世界選手権シングルスベスト16
昭和40年
第28回世界卓球選手権 日本代表監督
昭和48年
第32回世界卓球選手権 日本代表監督
昭和50年
第33回世界卓球選手権 日本代表総監督兼監督