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児玉語録

児玉語録3月号 『水谷選手の5連覇に思う』を掲載

2011/03/01

水谷隼選手、全日本5連覇おめでとう。

昨年12月に行なわれた、プロツアーグランドファイナルで優勝し、
世界ランクも7位となった。周りからは『水谷の優勝は間違いないだろう』
と思われ、また多くの人から、「新記録の5連覇、期待してるよ」と言われ、
かなりのプレッシャーがあったと思うが、
それらを全て跳ね除け、前人未到の大記録を成し遂げた。

今大会では、「相手につけ入るスキを与えるな。どんな選手と当たっても、
自信を持ち過ぎて受け身になるな。1ゲームから圧倒的に攻めて、
『やはり水谷選手には敵わない』と思わせてしまうことが大事だ。
勝つときは、ぶっち切りで勝とう・・・・・・・
この1点だけをアドバイスしたかった」という話を、1週間程前にした。
勿論、水谷選手本人も高山監督もそのつもりでいたので、
3人の間で再確認が出来たのである。

【読売新聞】 水谷5連覇 「ダブルス敗戦で闘志に火」
水谷にとっては、技術以上に、精神面が充実した一年だった。
「卓球で大事なのは、自信なんです」胸を張って言い切る。
相手の駆け引きに勝つため、心理学の勉強も始めた。
体力面、体調管理の面でも、怠りがない。
世界での地位も、着実に上げている。「世界」を感じさせる強さを持つ21歳。
水谷を本気にさせる、国内のライバルがもっと欲しい。

【朝日新聞】 水谷圧巻、史上初の5連覇 「思っている以上に、自分は強いのかも」
男子史上初となる5連覇へ。「ここでできなかったら、一生できない」と奮い立った。
正月も休まない。筋力トレーニングは、誰よりもこなした。
外出時は、マスクをし、手洗いやうがいを慣行。
「最高の準備で、すきをなくした」 不安、重圧はあった。
世界ランク7位のプライドが支えた。

【日本経済新聞】 水谷男子初V5 「全試合圧倒・成長見せつける」 
「世界と勝負」力強く
「周りが、僕の優勝をだれも疑っていなかったので、出来るだけ簡単に
優勝したかった」と言ってのけた。
日本代表の宮崎監督は、
「若手を引っ張っている水谷だが、その彼が一番成長度合いも大きい。
磐石の力を十分に見せてくれた。心強い日本のエースになってきた」
と評価した。5月の世界選手権(オランダ)では、「これまでで最高の
成績が出せると思う」と約束した。

【毎日新聞】 水谷5連覇 「バック完成 見つめる先に世界の頂点」
「勝ちに行くというより、(相手の挑戦を)はねのけたという気持ちが強い」
それほど圧巻の強さだった。「最高の準備をしてきた」と言う。
昨年の4連覇以降、海外の選手から、弱点として狙われてきたバックバンドを、
徹底的に磨いてきた。
「世界選手権では、最高の成績が出せる気がする。もう一つ壁を越えたい」
日本卓球界の若きエースの目は、世界の頂点を視野に捉えている。


優勝インタビューで、水谷選手がプレッシャーから解き放たれたように、
語った言葉は、「連覇した過去4年間より、さらに練習したし、誰よりも
努力してきた。だから優勝できた」
そして、「僕は僕が思っているよりも、強いかもしれない」と言い切った。
誰がどれだけ練習したかなど、知るはずも比べようもないはずなのに、
こう言い切れることに、この一年間の精進と精神面での充実さを
窺い知ることが出来た。つまり、本来「日本一を決める大会では、
日本一練習した者が必ず勝利する」ということを
肝に銘ずるべきだと。彼はそれを実践しただけだ、と言いたかったのだろう。

武道ではよく「自分に勝て」と言われるが、勝負はたとえ相手が誰であれ、
「自分との闘い」ということを戒めた言葉だ。
水谷選手は、5年分のプレッシャーをものともせず、自分に勝ち切った。

自分にとって苦手なことでも、やらなければならないと思って習慣にすれば、
訓練の質も上がるし、面白くもなる。
そうなれば、どんどん意欲も高まってくるし、効率も良くなるものだ。

脳科学者の松本元さんの著書「愛は脳を活性化する」の中で、
脳に快情報としてインプットされれば、脳内活性が上がり、学習効果が高まる」
といっている。

「快情報」とは、脳が好きと受け取る刺激のことで、脳が快さを認めれば、
脳に効率よく仕事をこなす回路が作られる・・・というのである。
やりたいことは脳にとって快情報で、やりたいことには脳はすいすい働く、
やりたいことが脳を効率よく成長させる・・・ということなのだ。

「才能」という能力を分析してみると、
「知識力」「洞察力」「理解力」「分析力」「計算能力」「記憶力」などがあり、
スポーツ選手でいえば、「足が速い」「体が柔らかい」「瞬発力がある」「頭がいい」
「勝負度胸がある」などいろいろある。
その他にも、「人の心を読む」という能力もある。そのような能力の中で、
「「努力する」ことができる」という能力が最も重要な能力である・・・というのが、
私の持論である。
今年の世界選手権、来年のロンドン・オリンピックでの水谷選手の活躍が、
楽しみで楽しみで仕方がない昨今である。

 

児玉圭司総監督

昭和35年~45年
明治大学体育会卓球部監督
昭和45年~現在
明治大学体育会卓球部総監督

(株)スヴェンソン 代表取締役会長

日本学生卓球連盟 会長

明治大学駿台体育会 名誉会長

昭和31年
世界選手権シングルスベスト16
昭和40年
第28回世界卓球選手権 日本代表監督
昭和48年
第32回世界卓球選手権 日本代表監督
昭和50年
第33回世界卓球選手権 日本代表総監督兼監督