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児玉語録

児玉語録1月号 『人生はロマン』を掲載

2011/01/05

明けましておめでとう。

今年の書初めは「人生はロマン」としました。
「Boys be ambitious!」 「青年よ、大志を抱け!」
「人間としてあるべき、すべてのものを求める大志を抱きたまえ」
これはアメリカの教育者、W.S・クラーク博士の言葉である。

私が持っている「ロマン」という言葉の意味は、
「大志を抱いて夢や冒険などへの強いあこがれを持つ」
ことと定義している。
ロマンとは夢であり、やり甲斐のことである。

スポーツを志す者は、殆どの選手がこのロマンという言葉に
興味を持っていると思う。
若くて夢があり、自分のやりたいことを語れる人に会うと
私は応援したくなる。人情として当たり前のことだと思う。

何かに打ち込んでいる人を見ると、感動する。
一生懸命であればある程、応援したくなる。
大きな大会の試合中、厳しい状況の中、自分のイメージを描き、
それを実現させて、自分の存在を見せつけることができれば、
「男のロマン」が叶えられたことにつながるだろう。

結局、ロマンというのは、すごいプレッシャーの中で、
一流の意識を持って結果を出すことである。

大リーグのイチローや、水泳の北島康介などは、夢や目標だけではなく、
自分の「哲学」を持っていて、その目標と哲学によって、
「志」が生まれ、「ロマン」が語られるのだと思う。

ロマンを持った人は、元気がいいし、熱意に溢れている。心が熱い。
勉強熱心で知識も豊富だが、単純に考えることが出来て、行動が早い。

ロマンは神聖で、純粋で、美しくなければならない。
仕事の世界でも、スポーツ界でも、その道のスーパースターと呼ばれる人は、
その言葉が似合う一流の人です。


志した道を「思いを込めて」一心不乱に進んでいけば、
必ず感性は磨かれるものです。
人は、人生の約1/3は寝ている。残りの2/3で、時間を大事に使い、
出来るだけ早く感性を磨くことが大切です。

まだ若いから、そのうちにやれるからと、時間をムダにせずに、
一日一日を大切に過ごすことこそ、自分が納得するいい人生を
送るコツだと思う。

是非、旺盛な好奇心を持ち、何事にも興味を持って、
取り組んで欲しい。毎日、同じようなことをしていても、
時間はアッという間に過ぎ去ってしまう。
好奇心を持っていれば、新しいことへのチャレンジが生まれてくる。

一度しかない人生である。
常にイキイキとした若さで、目標に向かって努力して欲しい。
そういう人は、必ず花が開いて、社会人になっても力を伸ばし、
役に立つ人間になれる。

自分の経験は、どんなに小さくても、百万人の他人の経験より、
値打ちのある財産である。「これだけやったのに、まだダメか。
こんなに苦しい訓練は、もう不可能だ」
というところまでやると、多くの人は、そこでやる気を失う。
そこでやめるか
「いや、まだまだこれからだ」と立ち上がるか。
このわずかな「一念」の差が、志した人生の大きな分かれ目に
なってしまうのである。

人間は、一人ひとり宇宙の神から「思いを実現する無限の才能」を
与えられていて、志した道を楽しむために生まれてきたのである。

2年先、3年先も、毎日毎日の積み重ねです。
「今日1日が、この人生を決める」という思いを持って、
卯年にふさわしく飛躍していく1年にしていきましょう。

2011年が、君達にとって、
より良きことの多い年になるよう、心から祈っている。

 

この語録も、1996年2月に「今月の言葉」として始めて
今月で丁度180号となりました。
振り返ってみると、いろいろな角度から、思ったり、見たり
、聞いたりしたことを、自分の視点で書き綴ってきた。

兒玉圭司名誉総監督

昭和35年~45年
明治大学体育会卓球部監督
昭和45年~令和2年
明治大学体育会卓球部総監督
令和3年~現在
明治大学体育会卓球部名誉総監督

(株)スヴェンソン 代表取締役会長

日本学生卓球連盟 名誉会長

明治大学駿台体育会 名誉会長

昭和31年
世界選手権シングルスベスト16
昭和40年
第28回世界卓球選手権 日本代表監督
昭和48年
第32回世界卓球選手権 日本代表監督
昭和50年
第33回世界卓球選手権 日本代表総監督兼監督