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児玉語録

兒玉語録9月号『勝った時こそ謙虚に』を掲載

2009/09/04

インカレ優勝おめでとう。
春季リーグの敗戦をしっかり反省し、行動計画を立て直したことにより、
一人一人のやる気が全体のパワーになって、

よいチームワークが形成され、内容の濃い試合の連続で、

結果につながったと思う。

勝てたことに感動し、部員全員で喜びを分かち合うことは大切だが、
ここで大事なことは謙虚さを持つこと。

どういうことかというと「畏れを持つこと」
相手は何故負けたんだろうか?という理由を徹底的に考えて

秋季リーグに備え対策を立て直すことが大事である。

その一週間後、ソウルに向け出発した水谷準が、

韓国オープン(ITTFプロツアー2009)の男子シングルスで優勝した

というビッグニュースが飛び込んで来た。
  準々決勝  朱世爀(韓国)世界ランク7位
     (現在世界で最も強いカットマンと云われている)
  準 決 勝  オフチャロフ(ドイツ)世界ランク14位
     (北京オリンピック団体戦トップで韓陽に勝ち、
ドイツの銀メダル獲得に貢献した選手)
  決  勝   郝師(中国)世界ランク9位
     (今大会準決勝で王皓(現世界チャンピオン)を破って決勝進出)
準々決勝も決勝も大激戦の末、日本出身選手としては、

1996年のITTFプロツアーが開始されてから、

初の快挙を成し遂げてくれた。

出発前日にいろいろな角度からアドバイスをした直後の快挙だったので、
私は心の底から嬉しかった。
この結果は3年後のロンドンオリンピックに向けて

大きな自信となり、弾みがついたと思う。
今迄はどちらかといえば願望に近い目標だったものを
自分の手でたぐり寄せることが出来たのだから。

今後3年間の心・技・体について具体的な目標を定め、

計画を立て、行動に移し、是非金メダルを狙って、

精進、努力して貰いたい。

今年の4月号で「勝負脳」のことについて書いたが、偶々、

当社が加入している清話会で林成之先生の講演があることを知り、

他の予定を変更して参加させて頂いた。

目からウロコが落ちるとはこのことで、

脳科学の面からみた脳の仕組みを知ることで
「勝つための能力」が最大限に力を発揮できることを

理論的に解明して頂き、非常に勉強となりました。

まず「勝負脳」とは脳の力を最高に発揮し、

必ず目的を達成する脳の力のこと

北京オリンピック競泳選手に教えた技術は
●相手の弱点をつくのではなく、相手の強い所をぶち壊せ

 という技術を研究して身につけろ・・・と教えた。
●  どんな競技でも超一流選手が才能を発揮する共通点
      目線が水平
      姿勢のバランスがいい
今年のWBCでイチロー選手の調子が悪かった原因は目が傾いていた。
最後の決勝の試合で、真っ直ぐになっていた。
●  大きな目標とか、大事な試合の前に訓練をして、

自分でも満足する程の効果が出て来た時  

 「だいたい出来た! 良くなった! これでよし! 

ここで一時リラックスして、また本番に向けて願晴ろう」

思った瞬間に脳が止まる。
心・技・体の機能が低下する・・・一瞬にして変って落ちてくる。
だから「一気に駆け上がる」ことが重要。
● 試合も同じ
「リードして勝った」と思った瞬間に血流が止まり、

脳が止まってしまう。だから考えてもいけない、思ってもいけない。
試合の途中で他のことを考えてはダメ
スケートフィギュアの安藤美姫選手は、それまで順調に滑っていて
コーチに「笑顔でやろう」といわれたことを、

思い出した途端に転倒してしまった。


私は常に 「リードしたら“勢い”にのってそれ迄以上に思い切れ。 
(勝つときは一本でも少なく勝つ)
       「苦しいときは、開き直って思い切ってやろう。
(負けるときは一本でも多く取ろう)
     「迷ったときは、思い切った道を選ぼう」
と口が酸っぱくなる程、言ってきた。
これは私の経験や体験から学んできたことにより力説してきたわけだが、
このことが脳科学の面から理論的に立証されたことが嬉しかった。

林先生の講演は一時間半、私は夢中でメモした。
まだまだ伝えきれないことが沢山ある。次の機会にしよう。

児玉圭司名誉総監督

昭和35年~45年
明治大学体育会卓球部監督
昭和45年~令和2年
明治大学体育会卓球部総監督
令和3年~現在
明治大学体育会卓球部名誉総監督

(株)スヴェンソン 代表取締役会長

日本学生卓球連盟 名誉会長

明治大学駿台体育会 名誉会長

昭和31年
世界選手権シングルスベスト16
昭和40年
第28回世界卓球選手権 日本代表監督
昭和48年
第32回世界卓球選手権 日本代表監督
昭和50年
第33回世界卓球選手権 日本代表総監督兼監督